器
2009/11/29
本日放送されたTBSドラマ JIN -仁- の第8話で、今の自分の心理状態とすごく被るシーンがあった。主人公である仁の護衛を任されている恭太郎が恋敵とも言える歌舞伎役者に土下座してお金を工面した後に、自分にできることはこんなことしかないし、そもそも言いつけられた護衛すらできていないと嘆くシーンだ。龍馬は、それが仁しか作り出せないペニシリンを守ったことにつながり、それはすなわち国を守ったことになるのだと大いに讃え、仁も、最初に出会ったときに見ず知らずの自分のことを命がけで守ってくれたおかげで、今も自分はここにいられるのであり、恭太郎以上の護衛はこの世に存在しないと深く感謝した。恭太郎は、龍馬のように国を動かすような大きなことができる訳でもなく、仁のように突出した才能を持つ訳でもなく、自分の器の小ささを嘆き、でも、そんな自分のことを評価してもらえたことに対する嬉しさなのか、泣き崩れた。
最初の会社を辞めてから、今年でちょうど10年が経つ。高校受験も大学受験も、目標校ではなく実力相応校にしか進学できなかった自分にとって、身の丈以上の存在に思えた憧れの会社が最初の会社であった。そこで多くの優秀な先輩と同期と後輩に出会い、多くの刺激を受け、多くを学んだが、思うところあって辞めた。おそらく、辞めたというより、脱落したのだと思う。
それからの10年間は、最初の2年間を除けば、不安の増幅と自信の喪失ばかりである。今の会社では何度も鬱を経験した。未だにこのままだと鬱になると感じることがある。年齢を重ねるに連れ、確実に以前よりもできることは多くなっているのだが、同時に己の器の小ささや才能のなさを強く感じるようにもなった。会社の同僚と話しているときですら、己の才能のなさに気付かされる場面に何度も遭遇した。まさに、恭太郎の心境である。
最初の会社では、ありがたいことに優秀だと言ってもらえることが多かった。今の会社で初めて鬱になり、先輩に仕事を引取ってもらった際も、よくできているじゃないかと褒めてもらえた。でも、どうしても一流に到達しているとは思えない自分がここにいる。一流になるために努力できていない自分がここにいる。がむしゃらにがんばるしかないのだとは思うが、なかなかそれができない。こうやって、どんどん一流との差が開く一方なのだろうか。
まあは毎日、仕事を一生懸命しながら、家族のために家事をこなし家庭を守ってくれているというだけで、大河と私にとっては唯一無二の存在で、誇れる夫、誇れるお父さんです。
投稿情報: 妻 | 2009/11/30 00:19
一流の定義って何だろうね。以前会社で、Executiveと呼ばれる人や理事と呼ばれる人が集まるタスクに参加させてもらったけれど、自分の経験した狭い分野の中でしか物事を見ることができず、それでも自分は一流というプライドの高い人が多かったよ。
もちろん、そんな人ばかりじゃなく、普段仕事をしていると、自分より優秀な人ばかりで自分のだめさに落ち込み、振り落とされないようにいつも走り続け時には涙することも。
最近は会社の人と自分を比べることをやめるようにしてます。
自分ができる小さなことをこつこつ地道にやって、それが評価されなくてもそれでもいいかと。
そうはいっても、まだ先日の試験落第の落ち込みから完全にたちなおれてはいないのだけどね・・・
投稿情報: 妻 | 2009/11/30 00:52