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OS X Lion を入れて感じたこと

OS X Lion 我が家の初代MacBook AirにOS X Lionを入れてみました。20年にも及ぶMacユーザー歴の中で、何度か大きな転機がありましたが、Mac OS 9からMac OS Xに変わった時よりも、大きな変化を感じました。もちろん、技術的な面では、Mac OS 9からMac OS Xに変わった時の方が変化があったのでしょうが、OS X Lionの登場は、Macの方向性を従来とは大きく変える役割を担っているという意味で、非常に大きな変化だと感じました。

スクロールの向きが逆になった

OS X Lionでは、UIが大きく変わりました。機能名で言うと、Launchpadフルスクリーンアプリ、更にそれらを補うMission Controlですが、いずれもiOSからのフィードバックです。そして、UIで最も大きな変更だと思うのが、スクロールの向きが従来のMac OS Xとは逆になったことです。

例えば、Safariで見ているページを上から下にスクロールさせたい時、従来はトラックパッドを二本指で上から下になぞっていました。つまり、スクロールバーをマウスで操作する動作です。ところが、OS X Lionではトラックパッドを二本指で下から上になぞります。これは、見ているページを直接指で上に動かす動作です。iPhoneやiPadと同じ操作方法になったのですが、この方が紙の世界に近く自然だということだと思います。

他にも、前ページに戻りたい時、従来はトラックパッドを三本指で右から左にはらっていました。Safariの左矢印ボタンをクリックするのと同じ動作です。ところが、OS X Lionではトラックパッドを二本指で左から右にはらいます。これは、横書きの本を読む際にページをめくって戻るのと同じ動作です。

どちらの例も、コンピュータの中だけの特殊な操作方法ではなく、ずっと昔から存在する紙や本を使う時と同じ操作方法に揃えたということであり、最初からその操作方法を取り入れていたiOSに合わせたということでもあります。

これは何を意味するか

Macの売上は21四半期連続で増加しているそうですが、大半は既存ユーザーではなく、iPodやiPhone、iPadで初めてApple製品に触れ、そこからMacに流れてきた人たちだと思います。言葉は悪いですが、にわかユーザーが今のMacの売上を生み出す購買層な訳です。実際、自分の周りにもにわかユーザーが非常に多く、既存ユーザーの何倍もの人数になってしまいました。

そして、彼らはiPhoneやiPadの操作が気に入ってMacを買った訳ですから、彼らが自然と使えるUIがMacには必要だったのでしょう。既存ユーザーは違和感を覚えるかもしれませんが、最初にこの世にMacが登場したときに掲げた"The Computer for the Rest of Us"の精神は、全くぶれておらず、むしろあるべき姿ではないかと思います。

疑似iPadだ

Launchpadフルスクリーンアプリを使っていると、まさにiPadってこんな感じなんだろうなって思ってしまいます。SafariもMailもiPhotoも、完全にiPad仕様というくらい、操作性はがらりと変わりました。そのうち、FinderとかDockなんてなくなって、Macを起動するとLaunchpadが起動するようになるかもしれません。iCloudDocuments in the Cloudとか見てると、近いうちにファイルの置き場所を意識する必要もなくなり、Finderって不要になるんだと思います。

そうなると、MacとiPadの違いは何なの? ってくらい、差がなくなっていくんでしょう。もちろん、用意されたものを見るだけや、メールの読み書きだけならiPadでもいいんでしょうが、やはり、何かを作る作業というのはMacじゃなきゃできない領域です。とは言え、大半の人はiPadで充分なんだと思います。

自分も変わらなきゃ

OS X Lionは、操作方法が大きく変わっただけではなく、ついにPowerPCアプリをサポートしなくなりました。自分の場合、Mac OS X v10.0の時(つまり10年前)から愛用していたClockやAppleWorksなどが使えなくなり、瞬間的には困った状況になってます。また、MailもiPad風になってしまって、メールの一覧性が悪くなったのも、今は使いにくいと感じてます。でも、これを機会に新しい代わりのアプリに移行し、新しいアプリの操作に慣れていかないといけないなぁと思ってます。

フルスクリーンアプリも、最初は違和感を感じましたが、画面ってこんなに広かったんだって意外な発見がありました。これまでは、買い換えるなら13インチのMacBook Airって思ってましたが、今よりちょっと画面解像度が縦方向に狭くなる11インチのMacBook Airでもいいかもなんて思ったくらいです。

慣れ親しんだものに固執せず、新たな概念を受け入れなきゃ。そう思わせてくれたOS X Lionでした。