車を所有する費用をきっちり計算してみた

大阪都構想に対して元政令指定都市在住の現東京都民として思うこと

大阪市民のみなさんへ

新聞報道によれば、大阪都構想の是非を問う2度目の住民投票が決まったとのことです。推進派である大阪維新の会はメリットばかりを強調していますが、元政令指定都市在住の現東京都民としては、ちょっと疑問に思うことがあり、それを綴ってみたくなりました。

今回の住民投票権をお持ちの方は、判断材料にしていただければ幸いです。

大阪の現状

大阪維新の会曰く、大阪都構想の最大の焦点は「二重行政の解消」です。ここだけ読むとその通りなんですが、ちょっと落とし穴があると思っています。要するに、現状は、

大阪府と大阪市が仲悪いだけじゃん

ということに尽きると思うんです。

現在の仕組みのままでも、大阪府と大阪市が協力し合えば、無駄はなくせるはずです。でも、悲しいかな、人間の性というか、本能的に縄張り争いをしてしまうから、再編成しましょうよという話だと思います。

大阪都になるとどうなる?

大阪市民からの視点で表現すると、こうなるはずです。

大阪府が大阪市の大半の権限を奪い取り、大阪市は4つの特別区に解体され、自分の住んでいる自治体は人口275万人の政令指定都市から人口70万人前後の小さな特別区になる。

おそらく、このイメージを持っている人は少ないのではないかと、勝手に想像しています。

私自身、政令指定都市である広島市(中区と東区)に住んでいたことがありますが、行政サービスや文化について、中区と東区を区別して考えたことはありませんでした。どちらも同じ広島市であり、広島市全体として捉えていました。もちろん、各種手続きは中区役所に行くか東区役所に行くかの違いはありましたが、どちらも広島市としての手続きです。

ところが、東京特別区(いわゆる東京23区)は、全く異なります。例えば、世田谷区とお隣の杉並区や大田区は全く別の自治体であり、そこで提供される行政サービスも全く異なります。正直、世田谷区民にとっては、極端な話、

お隣だとしても、杉並区や大田区のことなんか知らんがな

という状態ですし、互いに住民を増やしたいが故に、互いに切磋琢磨しているイメージです。どちらかと言うと、一般市に近いです。(もちろん、一般市と特別区では、担当する行政サービスの範囲が異なるので、単純比較はできませんが、あくまでも感覚の話です。)

結局は東京都へのコンプレックスでは?

私自身、地方出身の田舎者なので、上京するまでは東京が醸し出す中央集権的な文化や思想が大嫌いでした。でも、いざ暮らし始めるとすぐに気付きました。

東京は地方出身者で成り立っている

生粋の東京人は、実は少ないんですよ。もちろん、「実家が麻布や六本木や虎ノ門です」という人もいるし、「3代続けて清澄白河に住んでます」という地元の人もいますが、滅多に会いません。日本全国からやってきた田舎者が支えている、仮想的な街が東京の実態です。

大阪都という名称に拘っているのを見ると、単なる東京都へのコンプレックスじゃないのかと思ってしまいます。大阪府は大阪府のままでいいじゃんと。大切なのは中身であり、二重行政の解消が目的なら、あえて東京都と同列であることを誇示したいかの如く大阪都なんて名称にしなくても、大阪府のままで堂々としていればいいじゃないかと思っています。むしろ、大阪府と京都府しか「府」を名乗れないのであり、これこそ誇りに思うべきです。

東京の二番煎じじゃなく、大阪は大阪らしさを追求すべきではないでしょうか。大阪都構想については部外者ですが、部外者だからこそ、感じたことをそのまま綴ってみました。