始まりは雨
いつもの時間に起きると、どこからとなくばちばち音が。ふと外を見てみると、なんと雨ではないですか。。 遠路はるばるやってきたのに、なんという運のなさ。軽く気分も凹み、のんびり準備しているうちに、あっという間にチェックアウトの10時です。
外宮 (げくう)
ところが、この頃には傘を差そうか差すまいかというくらいの小雨になり、ホテルで傘を借りて外宮まで歩いて行くことにしました。見知らぬ街を歩くこと15分程度で、外宮に到着。いよいよ、敷地内へと入っていきます。
最初の鳥居をくぐり、手と口を水で清め、奥へ進みます。鳥居をくぐった瞬間から、ここだけ全く別世界です。伊勢神宮の本を買ったにもかかわらず、事前の予習をほとんどしないまま来てしまったため、とりあえず人の流れに合わせて奥へ奥へ。みんながお賽銭を投げ入れ、参拝しているところがあったので、まずは最初の拝礼。
が、なんと、ここが一番メインの正宮(しょうぐう)で、拝礼した場所からは直接見えない、ずーっと奥に正殿があったのでしたー。なので、写真は右下の1枚のみです。ちなみに、正宮には天照大御神(あまてらすおおみかみ)の食事を担当している豊受大御神(とようけのおおみかみ)が祀られているそうです。
敷地内には御池(みいけ)もありましたが、なんとも言えぬ神秘的な雰囲気でした。
その後は、他の神々を祀ってある別宮を順番に参拝。20年に一度行われる式年遷宮のため、新旧の宮が混在する、すごい歴史的な瞬間に立ち会えたような気がしました。そして、自然の中にいろんな役割を持った神々が存在するという考え方は、日本の気候風土が生み出した思想で、とっても好きです。
その後、同じ敷地内にある式年遷宮記念せんぐう館に立ち寄りましたが、ここでとってもいい言葉に出会いました。これこれ、自分の中に漠然とあった気持ちを見事に言葉にしてくれてるっ これは、別記事でちゃんと書きますね。
この時点で、かなり気分が上がってて、これはお昼ごはんは後回しで、このまま内宮へ行ってしまえと、バスで移動することにしました。普段の旅行で、公共の交通機関を使うことは、まずありません。車が好きで、わざわざ伊勢まで自分で運転してやってきたくらいですから、どこに旅行しても愛車かレンタカーでの移動しか経験ないのですが、この時ばかりはホテルに戻る時間がもったいないと、バスに飛び乗りました。ちなみに、バス代は片道430円。田舎のバスって、高いんですね。都内はどこでも210円なのでびっくりしましたが、自分はかつて田舎で育ったことをすっかり忘れてました。
内宮 (ないくう)
時間帯のせいかもしれませんが、外宮よりも圧倒的に参拝客が多く、平日の昼間だというのに、人で溢れかえっていました。内宮は総氏神である天照大御神が祀られている、いわば日本の神社の総本山のような場所です。
五十鈴川を挟んで、人間が住む世界と神々が祀られている神域が分かれていて、この橋を渡って内宮の敷地に入ります。
いざ内宮の敷地内に入ると、いきなり広がる広大な日本庭園のような、見事な景色です。あぁ、これぞ日本って感じ。奥へ進むと、外宮と同じように森の中に入ったようです。
本当は、手水舎(ちょうずや)で柄杓(ひしゃく)を使って手と口を清めた後、その先にある五十鈴川御手洗場(みたらし)で昔ながらに手を洗って身を清めるらしいのですが、そんなことは知らず、見事に通過。。
正宮へ通じる道の手前で川を横切る脇道があったので、軽い気持ちでちょっと寄ってみるかと。後から調べたら、風日祈宮(かざひのみのみや)という別宮で、後から参拝するべきなんだそうです。。 ちなみに、この神のお住まいも新築です。
外宮もそうでしたが、内宮も巨木ばかりでした。樹齢数百年とか、中には千年を超えた木もあると思います。過去の幾多の戦火を逃れ、2000年に渡る内宮の長い長い歴史と共に、ずっとこの場所で人々の生活を見守ってきたのかと思うと、自然の偉大さにただただ感動です。僕は子供の頃に山に囲まれた田舎町で育ったので、海を見てもなんとも思いませんが、木々に囲まれると本当にホッとします。
そして、いよいよ正宮です。が、撮影できるのは、ここまで。外宮の正宮と同じくらいの大きさだと思いますが、不思議と内宮の正宮の方が神聖な気持ちになります。なんなんでしょうね。お賽銭も、神道の文化をこれからも継承して欲しいという寄付の意味も込めて、ちょっとだけ弾みました。
ここからは、順路に従い別宮を参拝。
式年遷宮を終えたばかりの今だから見ることのできる、新旧が混在した不思議な光景です。
そして、再び五十鈴川を渡り、元の世界へ戻っていきます。
是非是非、また訪れたいです。来年も再来年も。年中行事にしたいと思ったほど、かつてなくツボにはまった、とてもいい経験でした。
反省
実は、事前の勉強不足で、いくつか失敗をしていたことが後からわかったのですが、一番の大失敗は「外宮と内宮の正宮では、願い事をするよりも、神様に日頃の感謝の心を伝えることが大切」ということでした。願い事は別宮でするんだそうです。知らなかった。。
確かに、神道って自然崇拝がベースにあると思うので、自然に対して感謝するという意味で、非常に納得です。人は自然の中で生かされていると考えているので、非常に腑に落ちます。
ちなみに、参拝の時は「家族と友人が健康で幸せでありますように」と願ったので、そんなに欲張ってないと思います。きっと。たぶん。
おまけ
内宮での参拝を終え、ゑびやでお昼ごはんを食べたのですが、塩焼鶏丼の出汁が激ウマで感動でしたー